【メディカル編】人工呼吸器・吸引が必要な方のお出かけ
1.基本的な持ち物
2.人工呼吸器
ートラブル・予防
ー移乗方法
3.吸引
ートラブル・予防
ー環境整備
1. 基本的な持ち物
お出かけの時に必要なものは、利用者さんやご家族が準備するのか、介助者さん側で準備する必要があるのか、事前に決めておく必要があります。
初めてお会いする利用者さんの場合、介助者さんが使い慣れた物品ではないことがあり、戸惑う
原因になります。
そうならないためにも、事前にやり取りを十分に行うことが必要です。
持っていく物品のチェックリストを作成して、参考にしながら準備しましょう。
▼基本の持ち物チェックリストはこちら
▼人工呼吸器を使用している方の持ち物チェックリストはこちら
▼吸引に必要な持ち物チェックリストはこちら
上記のチェックリストも活用して、利用者さんに合わせたチェックリストを作成しておくと安心です。
持ち物はチェックリストなどを活用し、忘れ物がないようにする。
2. 人工呼吸器
トラブル・予防
●呼吸器の電源を入れ忘れないように、指差し・目視確認をする
●呼吸器装着を忘れないように、指差し・目視確認をする
●呼吸器回路が破損や外れないように、呼吸器回路をS字フックや養生テープを使って固定する
・通常の吸気圧や換気量を観察し、移乗後の数値と差がないかを確認する
・空気が漏れる音がしないか、音を聞くことも有効
●外部バッテリーの充電量が足りるか、充電量とお出かけ時間を確認し、余裕がない場合は
バッテリーの予備を持っていく
●呼吸器の移動時は、吸気フィルターを完全にふさいでしまわないよう注意する
●人工鼻の加湿不十分な場合、呼吸器回路の結露具合や分泌物、肺の音できちんと加湿できて
いるか判断する
・電源確保が困難とならないように、お出かけ先で電源を確保できる場所を事前に確認する
・急変時に困らないように、利用者さんの観察と緊急時対応の事前に確認する
人工呼吸器には異常を知らせるアラームが付いていますが、外出時には周囲の環境によって
アラームが聴こえにくいことがあります。
気付くためには常に利用者さんに目を向け、利用者さんの表情や身に付けている機器を観察
しましょう。
▼人工呼吸器でお出かけされた小野さんのお出かけ動画はこちら
移乗方法
お出かけの時に、ベッドから車椅子へ2人で利用者さんを移動する場合の1例です。
呼吸器を乗せる位置を事前に確認しておくとスムーズに行えます。
①利用者さんに移乗することを伝える
②利用者さんの衣類を整える
③利用者さんから人工呼吸器を外し、人工鼻を装着
④人工呼吸器を車椅子に乗せ、人工呼吸器の回路を整える
⑤人工呼吸器を外部バッテリーに繋ぐ
⑥人工呼吸器の設定や表示が正しいか確認する
⑦車椅子をベッドの脇に移動し、ベッドの高さを車椅子に揃える
⑧サチュレーションモニターや表情で呼吸状態を観察
⑨車椅子に乗せた人工呼吸器を利用者さんに付ける
⑩サチュレーションモニターを利用者さんから外し、車椅子に乗せる
⑪利用者さんを側臥位にし、背中にバスタオルを入れる(反対も同様)
⑫バスタオルを利用者さんの両側で持つ
⑬介助さん者同士で掛け声をし、車椅子へ移動するタイミングを揃える
⑭人工呼吸器の回路が絡まっていないことを確認する
⑮サチュレーションモニターを利用者さんに装着する
⑯利用者さんの状態を観察
⑰利用者さんの体位を整える
トラブルを防ぐためには、事前の確認と利用者さんの観察が大事!
3. 吸引
トラブル・予防
●吸引チューブの挿入長の事前に確認する
●定期的に吸引が必要な方は、吸引時間の間隔を確認する
●吸引チューブの種類(気管内用、口腔内用)を間違えていないか確認する
●吸引圧を事前に確認する
●吸引器の故障がないか、事前に稼働するか確認する
●バッテリーの充電量が足りるか、充電量とお出かけ時間を確認し、余裕がない場合は
バッテリーの予備を持っていく
●吸引時の分泌物の状態の観察する(外出時は加湿方法の違いなどから分泌物が固くなる方も
いらっしゃいます)
●吸引チューブの片付け方の事前確認(消毒の方法、湿式か乾式か、使い捨てかどうか等)
環境整備
利用者さんに吸引などの処置を行う場合、周囲の目や環境が気になり、利用者さんが不快な思いをする場合があります。
定期的に処置が必要な場合、人目が少ない場所や囲われた環境に移動できるように、時間配分を考え
行動するようにしましょう。
お出かけ先で処置がしやすい環境の例は以下です。
・多目的トイレ
・商業施設内の場合は、壁の多い場所、エレベーター前や階段の踊り場などの人目が少ない場所を選ぶ
・外の場合は、木陰などの周囲からは見えにくい場所、建物の間などの人通りが少ない場所を選ぶ
・飲食店を利用する場合は、壁側や個室を選ぶ
・車移動の場合は、車内
・新幹線や特急電車での移動の場合は、多目的室(予約ができるものもある)
チェックリストを活用してトラブルを防止しましょう。
周囲の環境を整えてから処置を行えるよう、事前の下調べが大切!
まとめ
看護師による医療処置が可能なので、人工呼吸器・吸引が必要な方でも安心してお出かけしていただけます。まずはお気軽にご相談ください!